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GL間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版 高プロラクチン(PRL)血症の診断と治療の手引き
ニュートピックス
・「高プロラクチン血症の診断と治療の手引き」が改訂された.
治療のポイント
・薬物療法(カベルゴリン,ブロモクリプチン)が基本である.
・ミクロプロラクチノーマの場合,熟達した脳神経外科医が手術すれば治癒する可能性が十分あることを治療の選択肢として説明する(トルコ鞍内に限局し非浸潤性のもの).
◆病態と診断
A病態
・授乳期以外に乳汁漏出を認め無月経を伴うものを無月経・乳汁漏出症候群とよび,約90%に血中プロラクチン(PRL)値の上昇を認める.
・PRL上昇は乳汁分泌,中枢性性腺機能低下症による無月経をもたらす.
・その原因として抗ドパミン作用のある薬剤(特に向精神薬),プロラクチノーマ,一部のGH産生腫瘍,視床下部下垂体茎障害,原発性甲状腺機能低下症,慢性腎不全,胸壁疾患,まれに異所性PRL産生腫瘍がある.
・抗PRL抗体によるマクロプロラクチン血症では高PRL血症を認めるが症状は呈さない.
B診断
・血中PRLは睡眠,ストレス,性交や運動などで上昇することがあるので,複数回測定し確認する.
・次に薬剤を確認し薬剤性が否定されれば下垂体造影MRIを撮影,視床下部・下垂体腫瘍など器質的病変の有無を確認する.
・下垂体腫瘍を認めた場合にはプロラクチノーマによるものか非機能性下垂体腫瘍などによる下垂体茎障害によるものかを鑑別する.
◆治療方針
薬物療法(カベルゴリン,ブロモクリプチン)が基本である.
Px処方例 下記のいずれかを用いる.