診療支援
治療

慢性硬膜下血腫
chronic subdural hematoma
斉藤敦志
(弘前大学大学院教授・脳神経外科)

頻度 あまりみない

ニュートピックス

・これまでは,中高年以上の男性に多い疾患とされていたが,高齢者人口の増加により,後期高齢者に多く認められ男女差も徐々に少なくなっている.

治療のポイント

・軽微な頭部外傷後の3週間~3か月後,硬膜下に外側被膜と内側被膜に包まれた血腫を貯留し血腫が増大する疾患.

・頭部CT上,前頭,側頭,頭頂部に三日月状に進展する血腫が特徴的な画像所見.

・脳を圧迫し症状を認める場合は,穿頭し血腫をドレナージすることで症状は改善する.

・5~10%に術後に血腫の再貯留を認め,再手術が必要になる.

◆病態と診断

A病態

軽微な頭部外傷後の3週間~3か月後,硬膜下に外側被膜と内側被膜に包まれた血腫を貯留し血腫が増大することで脳を圧迫し症候を呈する.

・頭部外傷後の脳組織では,硬膜下腔に多くの組織トロンボプラスチンが遊離しており,凝固系の活性化が起こっている.凝固蛋白の消費によって架橋フィブリン

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