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GL蕁麻疹診療ガイドライン2018
GL遺伝性血管性浮腫(HAE)ガイドライン改訂2014年版
ニュートピックス
・遺伝性血管性浮腫(HAE)に対する発作の予防薬として2021年にベロトラルスタットが,2022年にラナデルマブが承認された.また,2022年にもともと静注製剤であった人血漿由来濃縮C1-インアクチベーターの皮下注製剤が承認された.
治療のポイント
・じん麻疹はその病型によって治療方法や予後,日常生活における対処の仕方が大きく異なるため,正しい病型診断が重要である.
・じん麻疹の多くは特発性であり,実際には原因となる抗原を同定できることは少ないため一律に行う検査はなく,詳細な問診が重要である.
・血管性浮腫では皮膚以外に喉頭や腸管にも浮腫を生じることがあり,腹痛や息苦しさのみを生じることもあるので注意を要する.
◆病態と診断
A病態
・じん麻疹は皮膚マスト細胞や好塩基球が何らかの機序により脱顆粒し,皮膚組織内に放出されたヒスタミンなどの化学伝達物質が皮膚微小血管と神経に作用して血管拡張(紅斑),血漿成分の漏出(膨疹)とかゆみを生じる.
・じん麻疹の誘発機序としてはⅠ型アレルギーが広く知られているが,実際には原因となる抗原を同定できることは少ない.
・血管性浮腫は皮下組織,真皮深層に発生する浮腫で,直接的誘因がなく自発的に症状が出現する特発性のもの,外来抗原などが誘因となる刺激誘発型のもの,補体C1インヒビター(C1-INH)の活性低下やアンジオテンシン変換酵素阻害薬内服により高濃度のブラジキニンが生じることによるブラジキニン起因性のものがある.
B診断
・じん麻疹の特徴として地図状や環状の膨疹が一過性に出現するものの,多くは数十分~数時間以内に消退し個疹が数日持続することは少ない.
・特定の誘因なく自発的に膨疹が出現するものを特発性じん麻疹といい,発症してからの期間が6週間以内
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