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治療のポイント
・主にステロイド外用を行うが,慢性的な経過をたどる.血管強化薬や止血薬を併用する場合もある.
・下肢静脈瘤の合併例は弾性ストッキングの着用を行う.
◆病態と診断
A病態
・病因は不明であるが,運動量,静脈高血圧,特に下肢の毛細血管脆弱性,局所感染などが関与していると考えられている.
・赤血球の血管外漏出により紫斑が生じ,ヘモジデリンを含むマクロファージ(ジデロファージ)により赤褐色の病変が生じる.
・アセトアミノフェン,非ステロイド性抗炎症薬,抗菌薬,経口糖尿病薬などの薬剤が誘因となることがある.
・糖尿病,関節リウマチ,全身性エリテマトーデス,甲状腺機能障害,菌状息肉症,血液および固形新生物,肝臓疾患,脂質異常症などの全身疾患を伴うことがあるが,ほとんどは特発性である.
B診断
・通常,高齢者の下肢に両側性に分布する再発・再燃性の非触知性の点状紫斑として現れる.
・成人ではより頻繁に発症するが,小児期のPPDも多数報告されている.
・全身症状は伴わない.
・臨床的な特徴から,環状の紫斑を形成するマヨッキー病(血管拡張性環状紫斑),不規則な斑状皮疹を呈するシャンバーグ病,苔癬様丘疹の目立つグージェロー・ブルム病(色素性紫斑性苔癬様皮膚炎),黄色局面を特徴とするlichen aureus(黄色苔癬),瘙痒が強く湿疹性紫斑を形成するitching purpura(瘙痒性紫斑)の5病型に分類される.
・末梢血液像,出血時間,凝固時間などに異常が認められないことを確認する.
・病理組織学的に,真皮上層の主に血管周囲へのリンパ球浸潤,赤血球の血管外漏出を認める.晩期になるとヘモジデリン沈着やジデロファージが認められる.血管炎は伴わない.
◆治療方針
慢性的な経過をたどるが,予後良好な疾患であり重篤な副作用を伴う治療は原則行わない.まずはステロイド外用を行い,適宜血管強化薬や止血薬の併用