Ⅰ.天疱瘡
頻度 あまりみない
GL天疱瘡診療ガイドライン(2010)
治療のポイント
・直接蛍光抗体法による診断を確実につけたうえで治療を行うことが最も重要である.
・プレドニゾロン10mg/日以下の内服および最低限の補助療法(免疫抑制薬など)の併用で症状がでない寛解状態を維持できることを目標として,適切な強度の初期治療で寛解導入を目指す.
◆病態と診断
A病態
・重層扁平上皮に発現する上皮間細胞接着分子であるデスモグレイン1あるいは3に対するIgG型自己抗体により生じる自己免疫疾患である.
B診断
・臨床症状(皮膚,口腔内のびらん・水疱),病理所見(棘融解像),免疫学的所見(IgGの角化細胞表面への沈着か抗デスモグレイン抗体の存在)から診断する.
◆治療方針
治療導入期と治療維持期に分けて,治療方針をたてる.
A治療導入期(病勢がコントロールされ,ステロイド減量ができるまでの治療初期.治療開始からおよそ2~4週間)
治療中の病勢は全身の臨床症状をスコア化したPemphigus Disease Area Index(PDAI)にて評価する.
治療開始前に糖尿病,高血圧,消化管潰瘍,感染症などの合併症の検索を十分に行う必要がある.免疫抑制薬開始前には,悪性腫瘍の全身検索を行う.
Px処方例 重症・中等症の場合(体重60kg).下記を併用する.
B治療維持期(病勢がコントロールされ,ステロイド減量を行いながら治療を維持する時期)
プレドニゾロン10mg/日以下の内服を目指して,漸減する.
Px処方例 再燃例や難治例では,下記を用いる.
リツキシマブ(リツキサン薬)注 1回1,000mg 2週間隔で2回 点滴静注
Ⅱ.類天疱瘡
頻度 あまりみない
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