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GL尋常性白斑診療ガイドライン(2012)
ニュートピックス
・2022年,米国FDAはJAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬であるルキソリチニブの外用を,尋常性白斑治療薬として初めて承認した.
治療のポイント
・非分節型と分節型に大別され,両者で治療反応性が異なるので,まずは病型を見きわめる.
・特に非分節型では,その病勢が治療選択の指標となる.白斑辺縁部の粉雪状の細かい白斑や,同部位における色調の異なる白斑の混在は強い病勢を示唆する臨床所見である.
・色素再生には,色素細胞(メラノサイト)に対する過剰な自己免疫の抑制だけでなく,主に毛包からのメラノサイトの誘導・再生が必要であるので,その両者を意識する.
◆病態と診断
A病態
・尋常性白斑はメラノサイトをターゲットとした自己免疫性疾患であり,有病率は世界的に0.5~2%と高頻度であり,性差はない.
・その発症には,遺伝素因,環境因子,その他要因が複雑に絡み合っている.
・全身の皮膚におおむね左右対称性に生じる非分節型が最も多いが,神経支配領域に沿って片側に生じる分節型やその両方が混在する混合型がある.
・特に非分節型では,自己免疫性甲状腺炎や膠原病などのほかの自己免疫疾患を合併することがある.
B診断
・その臨床的特徴から診断は比較的容易であるが,特に乳幼児期に発症した場合は脱色素性母斑との鑑別が難しいことがある.
・その他,遺伝性色素異常症(まだら症など),単純性粃糠疹,癜風や梅毒などの感染症,皮膚リンパ腫,Vogt-小柳-原田病などを鑑別する.
・病理組織学的検査にて,白斑部のメラノサイトの消失と白斑辺縁部におけるリンパ球の浸潤を認める.
◆治療方針
Aステロイドの外用・全身投与
ステロイド外用薬は初期治療として最も使用されている.病勢が強いときはステロイドの内服やステロイドセミパルス療法の有効性が報告されている.
Px処方例 1)を用いる.病勢が