診療支援
治療

月経困難症と慢性骨盤痛
dysmenorrhea and chronic pelvic pain
森 泰輔
(京都府立医科大学教授・産婦人科学)

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治療のポイント

・月経困難症は月経に随伴して起こる下腹部痛,腰痛などの強い疼痛を主体とする疾患である.

・器質的原因のない機能性月経困難症と,子宮内膜症や子宮筋腫などの器質的疾患に伴う器質性月経困難症とに分類される.

・機能性月経困難症の疼痛症状に対して,薬物療法が優先される.

◆病態と診断

A病態

・症状は下腹部痛,腰痛,腹部膨満感,嘔気,頭痛,疲労・脱力感,食欲不振,いらいら,抑うつなどであり,月経に随伴して起こる.

・器質性月経困難症は子宮内膜症,子宮筋腫,子宮腺筋症,子宮奇形などの器質的疾患に伴うものである.

・子宮内膜で産生されるプロスタグランジンなどによる子宮の過剰収縮や血管れん縮が原因とされている.

・慢性骨盤痛は「6か月以上持続する骨盤内に限局した痛み」である.子宮内膜症や骨盤内感染症などの婦人科疾患以外に,間質性膀胱炎,骨盤内うっ血症候群,過敏性腸症候群,身体表現性障害など原

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