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GL産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2023
GL産婦人科専門医のための必修知識2022年度版
GLホルモン補充療法ガイドライン2017年度版
治療のポイント
・月経開始時期,周期,経血量の異常,および月経随伴症状を評価する.
・無月経,周期異常では体重,身長などの発育,発達を評価するとともにホルモン検査で障害部位を探索する.
・原発性無月経では染色体,性分化の異常を念頭におく.
・アスリートの月経異常では3主徴の観点から方針を考える.体重減少性無月経と同様に,女性ホルモン投与が第1選択ではないことを理解する.
・過多月経では性ステロイドの分泌異常,子宮内膜での線溶系亢進や全身的な凝固線溶系因子の異常を考える.過少月経は反復するなら内分泌学的異常や染色体異常など背景因子を探索する.
・繰り返す強度の月経困難症では,子宮内膜症を疑う.
・月経前の不調については,身体的症状,精神的症状の発現,推移を把握する.
◆病態と診断
A病態
・8~18歳の受療女性1,626人に対する調査では,続発性無月経,下腹部痛・腰痛,性器出血,周期・持続期間異常,原発無月経の頻度は,それぞれ約39,13,11,10,4%である.初経は通常12歳くらいに発来する.15歳過ぎても発来しない場合は初経遅延,満18歳になっても発来しないものを原発性無月経という.初経遅延の段階で医療機関受診が望ましい.
・原発性無月経では性分化疾患,先天的代謝異常が多い.約30%に染色体異常を認める.
・今まであった月経が3か月以上こないものを続発性無月経という.減食,過食,環境などのストレスや過度のスポーツが誘因として多く,体重減少性,摂食障害による無月経やアスリートの無月経が含まれる.視床下部性のホルモン異常が背景にあることが多い.
・過多月経,過少月経,月経随伴症状である月経困難症,PMS,PMDDについては他項目(→,「異常子宮出