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GL産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2023
治療のポイント
・AUBの器質性疾患としてはPALM(P:子宮内膜ポリープ,A:子宮腺筋症,L:子宮筋腫,M:子宮悪性腫瘍)を念頭において診断,治療をする.
・AUBの非器質性疾患の病態として考えるべきものはCOEIN(C:凝固障害,O:排卵障害,E:子宮内膜の機能性疾患,I:医原性,N:その他)である.
・閉経後子宮出血はPALM-COEINと関連しないものが多く,子宮悪性疾患に関連したものを疑う.
◆病態と診断
A病態
・従来の「生殖可能年齢女性の子宮からの出血」を,それに関連した用語の氾濫を是正するため,「異常子宮出血(AUB)」と包括的によぶことがFIGO(世界産婦人科学会)から提唱された.
・FIGO AUB system 1においては,AUB以外にheavy menstrual bleeding(HMB;重度月経出血/過多月経),intermenstrual bleeding(月経間期出血),unscheduled bleeding(計画外出血)という分類がある.
・AUBの原因疾患記載法としてAUB system 2があり,PALM-COEIN systemといわれる.
・子宮内膜ポリープは,子宮内膜の異常増殖による隆起性病変を生じるが悪性所見がないものを指す.疾患頻度は多く,AUB(abnormal uterine bleeding)と不妊症に関連しうる.慢性子宮内膜炎においては高頻度で子宮内膜ポリープを併発する.
・子宮筋腫,子宮腺筋症は,子宮内膜症と並び代表的なエストロゲン依存性疾患であり,月経の存在と病態が関連する(→,「子宮内膜症」の項,→,「子宮筋腫,子宮腺筋症」の項参照).閉経後には病態は改善する.
・子宮体癌は,子宮内膜に由来する子宮内膜癌と,子宮筋層などが悪性化する子宮肉腫などが含まれるが,AUBに関
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