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GL産婦人科診療ガイドライン 産科編2023
ニュートピックス
・2020年より子宮頸管熟化を適応とするプロスタグランジンE2 腟用剤使用が可能となった.本薬剤は強力な子宮収縮作用を有することから,分娩誘発を行うと想定して使用する.
治療のポイント
・できる限り子宮頸管熟化をはかったあとに分娩誘発を行う.
◆治療方針
A分娩誘発を行う要件
母児の安全を確保して分娩誘発を行うために,その要約を満たすことが必要である.要約の1例として①母児ともに経腟分娩に耐えうる状態である,②子宮収縮,頸管熟化などの分娩準備状態を確認している,③児頭骨盤不適合の所見がない,④必要時には帝王切開が可能な施設で実施する,⑤妊娠週数を確認していることなどがある.
B子宮頸管の熟化の常態に基づいて子宮頸管熟化の方法を選択する
①頸管熟化が不良な場合には(一般にBishop score 6点以下を「頸管熟化が不良」とすることが多い),頸管熟化・拡張法を実施する,もしくは分娩誘発の延期を行う.②頸管熟化が非常に不良な場合(例えばBishop score 3点以下)には原則として子宮収縮薬は用いない.
C子宮収縮薬投与中における留意点
①2時間を目安とし産婦の血圧と脈拍のチェックを行う,②分娩監視装置を連続装着し記録する,③分娩第1期は約15分間隔,第2期は約5分間隔で胎児心拍数陣痛図を評価する,④子宮頻収縮(tachysystole;子宮収縮回数>5回/10分)あるいは胎児機能不全(レベル3~5の胎児心拍数波形)のいずれかを認めた場合,減量(静脈内投与中の場合:1/2以下量へ)あるいは中止を検討し,必要に応じて産科的対応(急速遂娩など)を行う.
Px処方例 下記のいずれかを用いる.