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GL頭痛の診療ガイドライン2021
ニュートピックス
・2022年,ジタン系片頭痛発作治療薬であるラスミジタンが発売された(小児への適応なし).
治療のポイント
・まず,緊急性の高い状態か,慢性・反復性の状態かを見極める.
・急性一過性の軽症例であれば,鎮痛薬の処方にて経過観察する.
・慢性・反復性で不登校など生活支障度が高い場合,鎮痛薬の投与のみでは改善しない.生活指導や心理社会的背景への対応が必要である.
◆病態と診断
A病態
・頭痛は単一疾患ではなく症候であり,原因は多岐にわたる.
・ほかにはっきりとした原因や疾患が見当たらない「頭痛そのものが病気」である1次性頭痛と,他の疾患が原因となって生じる2次性頭痛がある.
・1人の患者が複数の頭痛を合併する場合や,もともとの頭痛とは別の頭痛を発症する場合がある.
B診断
・国際頭痛分類(第3版)に基づく.小児においては1次性頭痛では片頭痛と緊張型頭痛,2次性頭痛では感染症(ウイルス性疾患,副鼻腔炎)による頭痛,頭部外傷が多い.
・問診はきわめて重要である.頭痛の部位・性状,発症からの経過,既往歴・現在加療中の疾患,服用している薬剤の種類・服用頻度,生活への支障度,生活習慣(特にゲームやスマートフォンの使用状況),頭痛の家族歴などを確認する.頭痛に特化した問診表の活用も有用である.
・診察においては,身体計測(血圧も含める),一般理学所見,神経学的所見,首や肩の圧痛の有無を中心に行う.
・必要に応じて血液検査(甲状腺機能含む),画像検査(緊急時には頭部CTを優先するが基本的には頭部MRI,もやもや病や動脈解離を疑う場合はMRAも含める),頸椎X線(ストレートネックの確認)を実施する.
◆治療方針
2次性頭痛においては原疾患の治療を優先するが,痛みへの対応も並行して行う.1次性頭痛においては非薬物療法(患者教育,心理療法,栄養補助食品)と薬物療法(