頻度 ときどきみる
治療のポイント
・重症化すると生命にかかわる感染症であり,迅速かつ適切な治療が求められる.
・上気道の評価や切開排膿など,専門医(耳鼻咽喉科)へのコンサルトが必要となる.
◆病態と診断
A病態
・急性扁桃炎が重症化し,口蓋扁桃被膜を越え炎症が周囲組織(扁桃周囲間隙)に波及する説と,扁桃周囲間隙にあるWeber腺が感染するという説とがある.
・蜂窩織炎の場合は周囲炎,膿瘍を形成した場合は周囲膿瘍となる.
・膿瘍の形成部位は被膜と周囲組織の結合が疎な上極型が多いが,下極型もみられ頸部に膿瘍が進展しやすい.進展すると深頸部膿瘍など生命にかかわる重篤な病態を併発するため,適切な治療が求められる.
B診断
・症状として,咽頭痛,発熱,嚥下困難を認め,重症の場合は含み声や開口障害が出現する.喘鳴がある場合は上気道閉塞を疑い,耳鼻咽喉科にすみやかに連絡する.
・所見として,口蓋扁桃のみならず前口蓋弓や口蓋
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