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12 血液ガス

血液ガス測定のタイミング

酸素投与量を変更してから定常状態になるまで健常者では5分,COPD患者では20分の時間が必要である.

シリンジ内の空気は2分以内に押し出し,常温では20分以内に測定する必要がある.

PaO2は4-22℃では10分は変化しないが20分で低下する.0℃では30分でも変化しない.

pH,PaCO2,HCO3は30分経っても変化しない.0℃ならば60分は安定している.

空気混入2分でPaO2が変化し,3分でPaCO2が変化する.

Br Med J (Clin Res Ed). 1982 Mar 27; 284(6320): 923-7

低酸素血症・呼吸不全の判読

PaO2の40-50-60(mmHg)はSaO2の70-80-90(%)に対応する.

健常者のPaO2は20歳ではおおよそ100mmHgで10歳ごとに3-4mmHg下がる.

呼吸不全でA-aDO2が正常ならば換気量低下があると考える.

A-aDO2が開大しているが少量の酸素に反応するならば拡散障害(肺気腫など)を疑う.血流・換気不均衡では酸素投与に対する反応は中程度だが,右→左シャントでは酸素投与にほとんど反応しない.

CO中毒やメトヘモグロビン血症が疑われる場合はPaO2が正常でも酸素運搬能が低下しているため,診断にはCO-HbやMet-Hbの測定が必要となる.

SpO2

▶SpO2が70-100%のときは±2%未満の精度でSpO2は正確である.

▶30mmHgまでの低血圧(脈波を拾うことができていれば),3g/dLまでの貧血,皮膚色素沈着があってもSpO2の値を信頼してよい.

▶CO中毒やMet-Hb血症(Met-Hb<35%ではSpO2はPaO2の割に高く表示されるが,Met-Hbが35%を超えると,SpO2は85%に収束する)ではSpO2は信頼できない.

▶青や黒色のマニキュアや爪白癬でSpO2は3

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