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診断

5 低血糖発作

低血糖

血糖55mg/dLで交感神経刺激症状,血糖50mg/dLで中枢神経症状の出現が目安であるが,急激な血糖の低下,コントロール不良な糖尿病患者,食後低血糖では80mg/dL程度でも低血糖症状は出現しうる.

自律神経障害がある場合,βブロッカー内服中や低血糖の既往がある場合は交感神経刺激症状が出現せずに低血糖が進行することがある.

意識障害があれば痙攣や片麻痺などの他の神経学的異常が存在しても低血糖症から鑑別を始めるべきである.

低血糖の診断には迅速血糖測定をすべきだが,それでもはっきりしなければ50%ブドウ糖40mL静注に対する反応を確認する.

意識状態変容の7(3.2-11)%は低血糖症である〔J Emerg Med. 1992 Nov-Dec; 10(6): 679-82〕.

低血糖症の診断

血糖値と症状の目安

▶健常者では53±2mg/dLで低血糖症状が出現するが,コントロールの悪い糖尿病患者は78±5mg/dLで低血糖症状が出現する〔N Engl J Med. 1988 Jun 9; 318(23): 1487-92〕.

▶1型糖尿病やインスリン使用者では,自律神経障害により低血糖に対するグルカゴンやエピネフリンの反応は不良〔Diabetes. 2002 Mar; 51(3): 724-33〕であり,警告症状を伴わずにいきなり意識障害を来すリスクが高くなる.

▶低血糖のエピソード後2-3週間は低血糖への反応閾値が高くなり無症候性低血糖を起こしやすいため要注意である.

▶毛細管血を使用した簡易血糖測定は測定誤差が特に低血糖帯(血糖値72mg/dL以下)では問題となる.血液ガス分析器による血糖測定のほうが信頼性は高い〔Crit Care Med. 2005 Dec; 33(12): 2778-85〕.

▶血糖用のスピッツを使用せずに長期間放置した検体や,白血病・多血

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