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診断

1 頭痛

頭痛の診療

頭痛症は14分類,194サブタイプに分類される壮大な鑑別疾患があるが,二次性頭痛を除外することと,頻度の高い一次性頭痛の適切な管理を行うことが第一の目標となる.

二次性頭痛の代表的疾患は脳血管障害(くも膜下出血,脳内出血,静脈洞血栓症など),脳腫瘍,感染症(髄膜炎,脳膿瘍,副鼻腔炎),側頭動脈炎,緑内障発作,一酸化炭素中毒,帯状疱疹などである.

国際頭痛分類第2版(International Classification of Headache Disorders 2nd Edition; ICHD-Ⅱ)によると一次性頭痛:4分類(45サブタイプ),二次性頭痛:8分類(120サブタイプ),頭部神経痛,中枢性・一次性顔面痛,およびその他の頭痛:2分類(29サブタイプ)に分類され,これによると頭痛の99.7%が分類可能となる〔Headache. 2004 Jul-Aug; 44(7): 692-705〕.

頭痛の鑑別疾患は患者群によって大きく変わり,大学病院の救急患者では重症疾患は18%で見られたとの報告がある〔日本頭痛学会誌. 2001; 28(1): 4-5〕.

二次性頭痛の診断

以下の項目は二次性頭痛を示唆する.

上記項目がなく,筋緊張型頭痛や片頭痛のタイプであれば二次性頭痛は否定的である.

頭痛患者における頭部CTはルーチンでは不要で,頭部CTでの異常所見は症状,身体所見で予想できるとされる〔Headache. 1993 Feb; 33(2): 82-6〕.

二次性頭痛を示唆する所見

・突然の頭痛

・今まで経験したことがない頭痛

・いつもと様子の異なる頭痛

・頻度と程度が増していく頭痛

・50歳以降に初発の頭痛

・神経脱落症状を有する頭痛

・癌や免疫不全の病態を有する患者の頭痛

・精神症状を有する患者の頭痛

・発熱・項部硬直・髄膜刺激症状を有する頭痛

Neuroimaging

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