診療支援
診断

3 パーキンソン症候群

Parkinson病

安静時振戦,歯車様固縮,無動,姿勢反射障害が4徴候の高齢者に多い疾患である.

Parkinson病での振戦は安静時に強い4-6 Hzのpill-rolling tremorであるが,姿勢時に強い振戦・頭部振戦・声が震える場合は本態性振戦を考える.

無動は日常生活動作を確認する以外に,仮面様顔貌・小声・小字症に注意する.

歩行障害は診断に重要であり手の振りが小さい小刻み歩行,すくみ足,突進現象,逆説的歩行を確認する.

4徴候以外にはMyerson徴候も診断に有用である.

Parkinson病の家族歴〔OR=4.5(3.4-5.8)〕,振戦の家族歴〔OR=2.7(2.1-3.6)〕,便秘の既往〔RR=2.3(1.6-3.5)〕,喫煙歴がないこと〔喫煙のRR=0.44(0.39-0.50)〕はParkinson病の可能性を高くする〔Ann Neurol. 2012 Dec; 72(6): 893-901〕.

Parkinson病の診断

▶突進現象は病歴で確認できることもあるが,診察室では軽度の外力での突進・転倒しないかどうかを確認する.

▶逆説的歩行は,すくみ足があっても障害物などを乗り越えるときはスムーズに足が出ることで,Parkinson病に特徴的とされる.

▶姿勢反射障害の評価:被検者には検者の手に対して背中からもたれ掛かってもらい,突然その手の支えを放したときに足を動かさずに踏ん張れるかどうかを評価する“push & release test”は,伝統的な“pull test”よりも(転倒の既往の予測において)優れた感度・特異度と再現性をもつという報告がある〔Mov Disord. 2008 Jul 30; 23(10): 1453-7〕.

▶Myerson徴候は額を(視覚的な影響を受けないように頭側から)軽く叩くと,5-10回以上してもまばたきを続け

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?