ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)菌感染の診断
◉非侵襲的な検査を行う場合,尿素呼気試験,糞便中抗原検査,血清ピロリ菌抗体検査のいずれも有用であるが,活動性感染の診断には前二者の特異性が高い.また2つの検査を組み合わせることで感度を高められる.
◉血清抗体検査は既感染でも陽性となり治療効果判定には使用できないが,プロトンポンプ阻害薬(PPI)や抗菌薬服用歴がある場合の診断に役立つ.
◉内視鏡検査を行った場合,迅速ウレアーゼ試験が迅速性に優れるが,活動性の出血やPPI/抗菌薬服用歴がある場合は病理検査のほうが信頼性は高い.
●ピロリ菌感染を疑う内視鏡所見(胃炎の京都分類)図
●ピロリ菌感染の検査の保険適用
①内視鏡検査または造影検査において胃潰瘍または十二指腸潰瘍の確定診断がなされた患者
②胃MALTリンパ腫の患者
③特発性血小板減少性紫斑病(免疫性血小板減少症,ITP)
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