診療支援
診断

13 クッシング症候群

クッシング症候群の症候

満月様顔貌,中心性肥満,野牛様脂肪沈着,赤色皮膚線条,皮膚の菲薄化と皮下出血斑,近位筋萎縮による筋力低下が診断上重要である.

肥満,無月経,多毛症がみられることから,多囊胞性卵巣症候群との鑑別も重要である.

糖尿病,精神症状,骨粗鬆症は合併症として重要である.

クッシング症候群の臨床所見

真皮が断裂を起こしたものが皮膚線条であるが,クッシング症候群では皮膚が萎縮するために皮下の毛細血管が透けて見え,赤色の腹部皮膚線条となることが特徴である.


皮膚菲薄化

ノギスで手指の皮膚をつまむようにして厚さを測定する


クッシング症候群の存在診断

前日23時にデキサメサゾン0.5-1mgを内服後,早朝コルチゾール≧1.6-5μg/dLであればクッシング症候群と考える.

深夜の血清コルチゾール値,尿中遊離コルチゾール排泄量も有用であるが,急性疾患罹患時には偽陽性が起こりやすい.

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