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診断

12 形質細胞腫瘍・多発性骨髄腫

総論

多発性骨髄腫は形質細胞の単クローン性(腫瘍性)増殖と,その産物である単クローン性免疫グロブリン(M蛋白)の血清・尿中増加により特徴づけられる疾患であり,40-50歳以上に好発する.

M蛋白血症に加え,CRABと称される臓器障害(高カルシウム血症,腎不全,貧血,骨病変)は骨髄腫診断事象ともよばれ,これらが1つでもあれば,症候性の多発性骨髄腫とされ全身化学療法の対象となる.

骨髄中形質細胞≧60%,involved/uninvolved血清遊離軽鎖比≧100,MRIで2か所以上の5mmを超える巣状病変のうちいずれかがある場合も予後不良であり,症候性の多発性骨髄腫とみなす.

多発性骨髄腫の年齢階級別罹患率(2018年)

形質細胞腫瘍の診断基準


多発性骨髄腫の所見

発症から1年以内の腰痛,貧血,腎機能障害,高カルシウム血症,血清蛋白/アルブミン比の異常が診断の契機となることが多い.

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