開発途上国からの帰国後発熱

◉アフリカ帰りではマラリア，東南アジア帰りではデング熱，南・中央アジア帰りでは腸チフスが多い．

◉潜伏期間が3週間以内であれば腸チフスやデング熱の可能性が高く，3週間以上であればA型/E型肝炎の可能性が高くなる．マラリアはいずれでもありうる．

◉マラリアは農村部や森林地帯，デング熱は都市部で蚊に刺されて感染することが多い．

◉呼吸器症状や消化管症状はマラリア，デング熱，腸チフスのいずれでも認めうる．

◉これらの疾患が診断された場合には直ちに保健所へ届け出が必要である．

●海外より帰国した後に受診した原因疾患は，消化管疾患（ジアルジア症，カンピロバクター感染症，糞線虫など），発熱疾患（マラリア，デング熱，腸チフスなど），皮膚疾患（動物咬創/引っ搔き傷，皮膚爬行症など），泌尿生殖器疾患（住血吸虫症，性感染症など）が多い〔Ann Intern Med. 2013 Mar 19；1