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9 毒素性ショック症候群

毒素性ショック症候群(toxic shock syndrome:TSS)

主に黄色ブドウ球菌が産生するTSS毒素-1(TSST-1)により,急性発症の高熱,低血圧,紅斑,多臓器障害を呈する疾患であるが,血液培養は陰性であることが多く死亡率は低い.

月経時のタンポン使用がリスク要因の月経関連TSSと,皮膚軟部組織感染症,骨髄炎や気道感染症(特にインフルエンザ後)に伴って起こるものがある.

皮膚感染は軽微なことも多く,また日焼けのようなびまん性紅斑ならびに回復期の皮膚落屑は見過ごしやすいため,皮膚を注意深く診察する必要がある.

非月経関連TSSの罹患率は0.32(0.12-0.67)/10万人年,月経関連TSSの罹患率は13-54歳の女性で0.69(0.39-1.16)/10万人年である〔PLoS One. 2011;6(8):e22997. PMID:21860665〕.


月経関連のTSS

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