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10 特発性正常圧水頭症

特発性正常圧水頭症(idiopathic normal pressure hydrocephalus:iNPH)の疫学

60歳以上から増加する疾患であり,70-80歳台に多い.

シャント術を受けるiNPHの有病率は10-22/10万人である〔Acta Neurol Scand. 2020 Feb;141(2):101-14. PMID:31622497〕.


シャント術を受けたiNPHの年齢分布(日本;n=974)


特発性正常圧水頭症の臨床所見

歩行障害,認知障害,排尿障害が三大徴候である.

歩行障害は最も高頻度で,診断に有用な特徴〔小刻み歩行,足の挙上低下(magnet gait),開脚歩行〕を伴い,治療効果判定にも有用である.

排尿障害は,排尿反射を抑制的にコントロールする前頭葉機能の障害によって尿意切迫,切迫性尿失禁を認めるのが特徴である.

iNPH Grading Scale(iN

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