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4 腰痛症

腰痛症の原因

腰痛症の多くは腰部傍脊柱筋や腰椎のひずみ・捻挫からくると解釈される非特異的なもの(特発性)であるが,体動で増悪しない腰痛は尿管結石症や大動脈疾患,膵癌といった内臓疾患を考える必要がある.

急性腰痛症では悪性腫瘍,感染症,炎症性疾患が否定的で,神経学的異常所見がなく,骨折が疑われなければ4-6週間は対症療法のみでよく,精査は不要である.

物理的要因では変性疾患,椎間板ヘルニア,脊柱管狭窄症,脊椎圧迫骨折,脊椎すべり症を考える.

人口の60-90%は一生のうち一度は腰痛症を経験する.

腰痛のみが93%,坐骨神経痛を伴う腰痛が4%,脊柱管狭窄症疑いが3%である〔Ann Intern Med. 2002 Oct 1;137(7):586-97. PMID:12353946〕.

急性腰痛症は1週間で50%,2週間で90%が自然軽快するため,X線写真の撮影は予後改善に結びつかない〔La

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