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9 骨腫瘍

骨腫瘍

骨腫瘍の90%以上は転移性骨腫瘍であるが,骨外への進展や軟部組織病変があれば転移性骨腫瘍よりも原発性骨腫瘍を考える.

原発性骨腫瘍のなかでは10歳台の骨肉腫が最も多く,成人の軟骨肉腫が続く.

多発性骨髄腫では感染症を合併しない限り発熱はみられず,アミロイドーシスを合併しない限り脾腫を来さない.またFanconi症候群を合併しない限りALPは正常で,病的骨折を合併しない限り骨シンチグラフィは陰性であることが特徴である.

骨腫瘍の内訳(n=458)

原発性骨腫瘍の種類と診断年齢


転移性骨腫瘍

肺癌,乳癌,前立腺癌で原発巣の半数を占める.

乳癌や前立腺癌では無症状でも骨転移の頻度が高い.

肺癌で骨転移があれば予後はかなり不良である.一方,甲状腺癌や前立腺癌は骨転移を有していても比較的予後がよいため,積極的な治療の適応となりやすい.

診断特性はMRIが最も優れる.CTは簡便であるが感度が

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