【紅皮症とは】全身の90%以上の皮膚が赤くなる状態である.多くの場合,全身の落屑を伴い悪寒がある.全身の反応性リンパ節腫脹が生じ,悪性リンパ腫との鑑別を要することもある.多くの紅皮症は,もともとある皮膚疾患が2次的に全身に広がり(=紅皮症化),「紅皮症」と診断される.一方,紅皮症状態になっていることが,疾患定義に含まれているものもある〔丘疹-紅皮症(太藤),乾癬性紅皮症,Sézary症候群など〕.原因・基礎疾患は多種多様であり,その特定が重要である.
【紅皮症をみたら】次の病態・疾患に留意し,基礎(原因)疾患特定を試みる(表1-20)図図.紅皮症を呈する皮膚疾患は多数あるが,表には主なものを列挙した.①湿疹・皮膚炎群:アトピー性皮膚炎,接触皮膚炎,脂漏性皮膚炎,慢性光線性皮膚炎による紅皮症,および,丘疹-紅皮症(太藤)など.②炎症性角化症:乾癬性紅皮症や毛孔性紅色粃糠疹,先天性魚鱗癬による紅