【丘疹とは】直径10mm以下の隆起性変化を指す.
【顔面の丘疹をみたら】顔面の丘疹は患者のQOL低下に与える影響が大きく,正確な診断に基づく積極的な治療が求められる.鑑別疾患は非常に多彩だが,毛包・脂腺・汗腺などの皮膚付属器に関連した炎症性または腫瘍性の疾患が多い(表1-25)図図.
1.炎症性疾患
①尋常性ざ瘡:10~30歳代の顔面,胸背部の脂腺性毛包の分布部位に生じる.面皰に紅色丘疹や膿疱が混在し,時に囊腫,結節,瘢痕を伴う.②酒皶性ざ瘡(丘疹・膿疱型酒皶):中高年の頰部,眉間部,鼻部,オトガイ部に紅色丘疹や膿疱を認め,紅斑,毛細血管拡張を伴う.
2.肉芽腫性疾患
顔面播種状粟粒性狼瘡:眼囲,特に下眼瞼から頰部に多発する2~3mm大の充実性の常色~紅色丘疹.組織学的には中心壊死を伴う類上皮細胞肉芽腫が特徴的である.
3.ウイルス性疾患
青年性扁平疣贅:ヒト乳頭腫ウイルス3,10,28,29型の感染に