【手掌に水疱,膿疱を生じる疾患とは】手掌(手掌あるいは足底)に水疱や膿疱を生じる疾患は多岐にわたり,その臨床像は時として非常によく似通っているものの,実際には全く異なる原因によることもあるため,常に鑑別疾患を念頭におかなければならない.大まかな原因として,感染症,湿疹皮膚炎群,水疱症(先天性,後天性),薬剤誘発性などが挙げられる.水疱を形成する疾患,膿疱を形成する疾患をそれぞれ表1-31図,表1-32図にまとめた.
【手掌に水疱をみたら】
1.感染症
1)手部水疱性膿皮症
手湿疹や小外傷に続発して発生する伝染性膿痂疹の一型で,厚い角層下に大型の水疱を生じる.培養により黄色ブドウ球菌が分離される.
2)手足口病(→)
4歳までの乳幼児に好発する.口腔内粘膜疹と同時あるいは1日遅れて,手や足に楕円形の1~5mm程度の紅暈を伴う灰白色水疱や紅斑性丘疹が多発する.潜伏期間は2~7日で,7~10日で軽快治癒
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