診療支援
治療

毛細血管拡張をきたす疾患
Diseases manifesting telangiectasis
土居 敏明
(心斎橋いぬい皮フ科副院長)

【毛細血管拡張とは】真皮浅層における持続的で非可逆的な毛細血管(乳頭層),後毛細血管細静脈網(乳頭下層),細静脈網(網状層下層)の炎症によらない拡張状態である.それらの血管は,通常は赤血球が少なくて肉眼で見ることができないが,何らかの原因で,大量の血液流入が起きると赤血球が増えて赤い糸のように認識される.毛細血管と後毛細血管細静脈の拡張は赤くて細い糸状に,細静脈の拡張は青みを帯びた毛糸状に見える.先天性と後天性に分けられたり,臨床形態から,丘疹状,丘疹分枝状,分枝状,斑状に分けられることもある.原因はさまざまで,血中エストロゲンの増加や糖脂質分解酵素の欠損・活性低下のために糖脂質が血管内皮細胞に沈着したり,血管内皮細胞増殖因子(VEGF)やTGF-βなどの血管増生因子の関与が示唆されるものなどがある.

【毛細血管拡張をみたら】次の病態・疾患に留意する(表1-48)①クモ状血管腫(先天性

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