【概説】遺伝子パネル検査とは,次世代シークエンサーを用いて多数の癌にかかわる遺伝子の変化を網羅的に調べる検査である.ある特定の遺伝子変異の有無を調べる1対1対応の検査として,これまでコンパニオン検査が存在したが,遺伝子パネル検査では多数の癌関連遺伝子の状態を一度に確認することが可能となり,それにより個々の病態により適した治療を行える可能性がある.2019年6月より国内で保険適用となった遺伝子パネル検査はOncoGuide NCCオンコパネルシステムとFoundationOne CDxがんゲノムプロファイルの2種類であり,ともに対象は標準治療がない固形癌,標準治療が終了もしくは終了が見込まれる固形癌の患者であり,さらに全身状態が保たれ検査施行後に治療の適応となる可能性が高いことが必要とされる.皮膚科領域の悪性腫瘍に関しても検査の適応となるが,リンパ腫などの血液癌は対象ではない点,検査を行っても実際に治療まで到達できた患者は全体の1~2割である点,検査に付随して遺伝性腫瘍が明らかになったり疑われたりする可能性がある点などに留意が必要である.
検査の進め方
標準治療がない,もしくは標準治療が終了しているか終了が予想されている固形癌患者で,検査後に化学療法の適応となる可能性が高い人に対して,がんゲノム医療中核拠点病院(12施設)/がんゲノム医療拠点病院(33施設)(表2-25図,2021年10月現在)/がんゲノム医療連携病院(183施設)にて実施する.癌検体が検査に耐えうる質であるかをあらかじめ病理部に確認したうえで,手順に従って患者に説明し,同意取得を行う.同意取得後,患者情報の記載を行い,病理検体,OncoGuide NCCオンコパネルシステムでは採血検体を提出する.検査会社からの解析結果,がんゲノム情報管理センター(C-CAT)からの調査結果などが届いたあとに,専門家会議(エキ
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