診療支援
治療

抗ウイルス外用薬
Topical antiviral agents
呉 雨昇
(成田富里徳洲会病院診療科長)

【概説】抗ウイルス外用薬にはビダラビン,アシクロビル,イミキモドなどがある.ビダラビンは単純ヘルペスウイルス(HSV:herpes simplex virus)感染症および帯状疱疹(VZ:varicella-zoster)に,アシクロビルはHSV感染症に,またイミキモドはヒトパピローマウイルス(HPV:human papillomavirus)6/11感染の尖圭コンジローマに使用可能である(表3-7).イミキモドの詳細説明は他項(,「イミキモド」の項参照)に譲り,本項ではビダラビンおよびアシクロビルについて解説していく.


Ⅰ ビダラビン (Ara-A:vidarabine)

【概説】Ara-Aは核酸塩基のアデニンのアナログである.Ara-Aは細胞由来のチミジンキナーゼ(TK)によって一リン酸化されてAra-AMPとなり,次いで二リン酸塩Ara-ADP,三リン酸塩Ara-ATPとなる.Ara-ATPはウイルスのDNA依存DNAポリメラーゼを阻害し,DNA合成を抑制することで抗ウイルス作用を発揮する.Ara-ATPはウイルス感染細胞でも非感染細胞でも作られるが,ウイルス由来のDNAポリメラーゼに対して,正常細胞由来のDNAポリメラーゼに対する数十倍以上の阻害作用を有することが知られている.宿主のTKを利用する特性から,Ara-AはHSVやVZウイルスのTK欠損株や変異株に対しても有効である.

【薬剤】①医薬用/軟膏,クリーム(3%):アラセナ-A軟膏/クリーム,カサールクリーム.②スイッチOTC薬(医師により診断がついている口唇ヘルペスに対し薬局で購入可能な薬剤):アクチビア軟膏,ヘルペシアクリーム,アラセナS軟膏/クリーム.

【適応】①医薬用:単純疱疹,帯状疱疹.②スイッチOTC薬:口唇ヘルペス.

【使用方法】病変部位に1日1~4回塗布する.

【注意点】帯状疱疹に対しては抗ヘルペス

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