【概説】皮膚科領域で使用される免疫抑制薬には,ステロイド,シクロスポリン,メトトレキサート,シクロホスファミドなどがある.このうちステロイドについては別項にあり(→,「ステロイド薬」の項参照),本項では比較的使用頻度の高いシクロスポリンとメトトレキサートにつき解説する.
Ⅰ シクロスポリン
【概説】当初,移植後の拒絶反応を抑制する目的で使用されていたシクロスポリン(CyA)は,乾癬に対し1992年に保険適用となり,以来長年にわたり本症に対する主要な治療薬と位置づけられてきた.近年,中等症以上の乾癬に対しては,生物学的製剤による治療が主流となりつつあるが,なお利便性や費用などの観点からCyAは今後とも乾癬治療における重要な選択肢であり続けるものと思われる.またCyAは2008年にアトピー性皮膚炎に対しても保険適用となり,重症アトピー性皮膚炎の治療薬としてもその有用性は確立されている.一方で,本剤