病態
一次刺激性接触皮膚炎は,物理的・化学的刺激など,接触したさまざまな刺激が一定以上の閾値を超えることで誘導された細胞障害の結果として生じる,抗原非特異的な皮膚炎症である.臨床的にいわゆる「原因不明の」湿疹と総称されている皮膚炎症の多くは,一次刺激性接触皮膚炎と考えられる.
【病因・発症機序】刺激物質により病態形成機序はさまざまと思われるが,一般に細胞が障害を受けると,damage-associated molecular patterns(DAMPs)と総称される,自己由来の起炎物質が放出される.多くの一次刺激性接触皮膚炎は,ケラチノサイトを主体とした細胞から放出された,種々のDAMPsを含むサイトカイン,ケモカインによって炎症が誘導されていると考えられている.界面活性剤の使用や低湿度などの生活環境により角層バリアが障害されると,より多くの刺激物質が皮膚に侵入し,炎症が惹起されやすくなる
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