病態
接触感作の成立後,同一接触アレルゲン(ハプテン)に経皮的に反復曝露されることで原発巣の湿疹病変の悪化とともに,強い痒みを伴う皮膚病変がアレルゲンの接触範囲を越えて散布する場合を接触皮膚炎症候群とよぶ.しばしば自家感作性皮膚炎との異同が問題になる.実際,欧米にはこのような概念は存在しない.自家感作性皮膚炎とほぼ同義語であるが,自家感作性皮膚炎の原発巣には接触皮膚炎以外に,うっ滞性皮膚炎,貨幣状湿疹,熱傷,アトピー性皮膚炎なども含まれるため,接触皮膚炎が原因の自家感作性皮膚炎に限って接触皮膚炎症候群とよぶと考えると理解しやすい.散布疹としては,小丘疹,漿液性丘疹,貨幣状湿疹などが一般的で,まれに多形紅斑,急性汎発性発疹性膿疱疹,血管炎などを認めることもある.
同様に,紛らわしい疾患に全身性接触皮膚炎がある.全身性接触皮膚炎は,接触アレルゲンに感作されている人が,そのアレルゲンに吸入,内服
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/ジフルプレドナート《マイザー》
- 治療薬マニュアル2024/ビラスチン《ビラノア》
- 治療薬マニュアル2024/クロベタゾールプロピオン酸エステル《デルモベート》
- 治療薬マニュアル2024/ルパタジンフマル酸塩《ルパフィン》
- 治療薬マニュアル2024/プレドニゾロン《プレドニン プレドニゾロン プレドニゾロン プレドニゾロン》
- 今日の治療指針2024年版/虫刺され,痒疹
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/びらんを主徴とする疾患
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/一次刺激性接触皮膚炎
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/貨幣状湿疹
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/自家感作性皮膚炎
- 今日の診断指針 第8版/アトピー性皮膚炎
- 今日の診断指針 第8版/その他の湿疹・皮膚炎