病態
【病因・発症機序】遺伝的素因やさまざまな悪化因子によって増悪と軽快を繰り返す多病因性の疾患で,皮膚バリア機能の低下が病態形成に重要である.
遺伝的要因として,表皮のバリア機能に重要なはたらきをもつ天然保湿因子のもとになるフィラグリンの遺伝子の機能喪失型変異などが報告されている.
皮膚バリア機能の低下のために,汗や唾液,洗浄剤のすすぎ残しなど日常生活における軽微な刺激で非特異的な皮膚炎(=湿疹)が生じやすい.
皮膚バリア機能が低下した皮膚から侵入したアレルゲンに対して感作(経皮感作)が成立すると,それらのアレルゲンによるインターロイキン(IL)-4やIL-13などの2型サイトカインを介したアレルギー炎症も病態形成に重要である.
ヒスタミン,神経ペプチド,2型サイトカインなどさまざまな痒みのメディエータによって痒みが生じる.アトピー性皮膚炎患者の皮膚では,痒みを知覚する神経線維の表皮への伸
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