病態
痒疹は痒疹丘疹を主徴とする反応性皮膚疾患である.痒疹丘疹は強い痒みを伴う孤立性の丘疹を指す.搔破により頂部にびらんを生じることもある.急性痒疹,亜急性痒疹,慢性痒疹に分類される.急性痒疹は滲出傾向の強い痒疹丘疹で,小児ストロフルスもこれに相当する.痒疹は病理学的に真皮の浸出反応を伴う炎症反応であり,表皮細胞や真皮成分の増殖を認める.
【頻度】急性痒疹や慢性痒疹の疫学は明らかでないものの,診察する機会は比較的多い.日本皮膚科学会による多施設横断四季別全国調査の結果によると,皮膚科受診患者のうち痒疹患者の占める割合は,病型が明らかではないものの,約2%であった.
【病因・発症機序】アレルギー,異物反応など諸説ある.発症にかかわる要因は,虫刺によるものと何らかの背景疾患を伴う症候性に大別される.症候性の要因として内分泌疾患,腎障害,肝胆道系疾患,血液疾患,悪性腫瘍,妊娠などがある.
【臨床症状】
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