診療支援
治療

Behçet病
Behçet's disease
中村 晃一郎
(埼玉医科大学教授)

病態

 Behçet病は皮膚,粘膜・眼などの臓器に炎症を生じる原因不明の疾患である.発症機序として,環境因子や遺伝因子など複数の因子の関与が推測されている.環境因子として居住地域,細菌やウイルスの持続感染,気候などの関与が推測されている.遺伝因子として,ゲノムワイド解析でIL-23,IL-10領域の異常が明らかにされている.そのほか,遺伝子多型解析でTLR4遺伝子変異が認められている.また,患者の約半数でHLA-B51が陽性である.

【臨床症状】Behçet病は口腔内アフタ性潰瘍,外陰部潰瘍,皮膚症状を呈し,眼をはじめ多臓器に炎症を生じる.

1.口腔内アフタ性潰瘍(図6-10)

 ほぼすべての患者の初発症状,あるいは経過中に生じる粘膜症状であり,口唇・舌・頰粘膜・歯肉部・口蓋に多発する.時に咽頭にも生じ,これらは痛みを生じる.アフタは初期に浮腫紅斑であるが,中心に潰瘍を生じ,次第に上皮化する.そ

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