診療支援
治療

膿疱性乾癬(汎発型)
Pustular psoriasis
小宮根 真弓
(自治医科大学教授)

病態

 膿疱性乾癬は,全身あるいは限局性に無菌性膿疱が紅斑上に多発し,尋常性乾癬との移行や混在を示すことがある,乾癬の一型と位置づけられる一群の疾患である.膿疱性乾癬の定義は成書によって異なり,米国では掌蹠膿疱症を膿疱性乾癬の限局型として含めているが,本邦では掌蹠膿疱症は独立した疾患としてとらえるほうが一般的である.ここでは,発熱などの全身症状とともに全身に膿疱を生じる膿疱性乾癬(汎発型)について述べる.ここで述べる膿疱性乾癬(汎発型)は厚生労働省の指定難病であり,circinate annular型や尋常性乾癬の一時的膿疱化症例は含めない.

 膿疱性乾癬(汎発型)には,急性汎発性膿疱性乾癬(von Zumbusch型),小児汎発性膿疱性乾癬,妊娠に伴って発症する疱疹状膿痂疹と稽留性肢端皮膚炎の汎発化が含まれる.

【頻度】頻度は不明であるが,乾癬と診断される患者のうちの1%ほどを占めるとされてい

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