診療支援
治療

強皮症(2)限局性強皮症
Localized scleroderma
佐藤 伸一
(東京大学教授)

病態

 限局性強皮症(LSc)の本態は,「皮膚から骨にまで至る垂直方向の組織障害・破壊」であり,萎縮や皮膚硬化はその障害・破壊の結果生じるものであり,本症の本質ではない.Raynaud症状,肢端皮膚硬化,内臓病変を伴わないため全身性強皮症とは全く異なる疾患である.それゆえ本症の予後は良好である.しかし皮膚硬化が深部に及ぶと,患肢の萎縮・拘縮,顔面の変形,筋けいれん,小児では患肢の発育障害,頭部の場合には永久脱毛斑などが生じQOLを大きく障害する.

【病因】LScはBlaschko線に沿って出現する.1つのBlaschko線は,外胚葉原基の隆起である原始線条に沿って分布する,1つの前駆細胞に由来するため,その前駆細胞にDNAの軽微な体細胞突然変異が生じた場合,その前駆細胞に由来するBlaschko線は他のBlaschko線と遺伝子のレベルで異なることになり,体細胞モザイクが生じる.通常はその発現

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