診療支援
治療

混合性結合組織病
Mixed connected tissue disease:MCTD
簗場 広一
(医療法人社団どんぐり皮膚科副院長)

病態

 混合性結合組織病(MCTD)とは診断基準を満たさない全身性エリテマトーデス(SLE)様症状,全身性強皮症(SSc)様症状,多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)様症状を併せもち,なおかつ血清学的に抗U1-RNP抗体が検出される疾患である.海外ではMCTDは単なるオーバーラップ症候群の一部に過ぎないとして,疾患概念を否定する意見も多いが,わが国では独立した疾患として広く認識されている.


診断

 MCTDの診断に際しては,厚生労働省研究班による診断基準が用いられることが多い.Raynaud症状,手指の腫脹,肺高血圧症のいずれかに加え,抗U1-RNP抗体が陽性であり,なおかつSLE様所見,SSc様所見,PM/DM様所見のうち2つ以上の病態を伴う場合MCTDと診断できる.

【臨床症状からの診断】①Raynaud症状:寒冷刺激により手指血管のれん縮が起こり,典型的には三相性(白→紫→赤)の変化をみせる現

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