病態
小児の全身型特発性関節炎であるStill病が成人(16歳以上)まで遷延した例と,成人発症例を合わせて成人Still病と称する.発熱,関節炎,皮疹などの多彩な臨床症状を呈し,白血球数,CRP,血清フェリチン値の上昇や肝機能異常を伴うが抗核抗体やリウマトイド因子は陰性の,原因不明の炎症性疾患である.
【頻度】人口10万人あたり3.7人の頻度とされる.やや女性に多く,20歳前後と40歳前後に発症のピークがあるが,高齢発症することもある.
【病因・発生機序】病因はいまだ不明である.遺伝因子と環境因子の両方が関与している可能性があり,前者としては特定のHLAアレルとの相関も報告されているが,確定はされていない.環境因子としては感染症が想定されており,風疹ウイルス,麻疹ウイルス,サイトメガロウイルス,パルボウイルスB19,マイコプラズマ,クラミジアなどとの関連が報告されている.さらには,血清フェリチ
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