診療支援
治療

自己炎症性症候群
Autoinflammatory syndrome
金澤 伸雄
(兵庫医科大学主任教授)

病態

 自己炎症性症候群は,獲得免疫の制御異常による自己免疫疾患に対して,自然免疫や炎症の制御異常を原因とする稀少疾患として命名されたものである.発熱や皮疹,関節炎などを呈し感染症,アレルギー,自己免疫疾患に似るが,無菌性でアレルゲンなどの誘因がなく,各種自己抗体は陰性である.自己免疫(autoimmunity)のautoが“self”を意味するのに対し,自己炎症(autoinflammation)のautoはむしろ“automatic”や“autonomous”の意味ととらえられる.本項では難病に指定されている遺伝性の7疾患1疾患群について解説する(表12-10)

【病因・発症機序】微生物やさまざまな危険・傷害刺激に反応して炎症反応を惹起するのに必要な細胞内分子複合体をインフラマソームとよび,NLRP3(クリオピリン)だけでなくNLRC4やピリンもインフラマソームを形成する.これらの変

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