病態
川崎病はChapel Hill Consensus Conference(CHCC)2012分類上,中型血管炎に分類される血管炎である.病因は不明だが,細菌・ウイルス感染など何らかのきっかけで免疫系の異常活性化が起こり,それによって誘導された炎症性サイトカインストームが血管炎を引き起こすと考えられている.冠動脈に最も強い血管炎が生じ,これによって生じた血管壁の破壊によって冠動脈は拡大し,冠動脈瘤を形成する.冠動脈瘤によって誘導される易血栓状態は,急性冠症候群のリスクを上昇させ,生命予後に大きくかかわる.したがって,川崎病診療において皮膚科医に求められる重要な役割は,主として皮膚症状から川崎病を疑い,早期に小児科をはじめとする専門科へ紹介することである.
【頻度】本邦における年間罹病者数は15,000人以上で,発症のピークは1歳前後,男女比1.4:1と男児に多く,同胞発症リスクは10倍と
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