診療支援
治療

サルコイドーシス
Sarcoidosis
井川 健
(獨協医科大学主任教授)

病態

 サルコイドーシスは全身性肉芽腫性疾患であり,さまざまな臓器が障害される.若年者から高齢者まで発症する.世界的には寒冷地域で多くみられるとされている.侵される臓器がさまざまであることもあり,発病時の臨床症状は多彩であり,さらに,臨床経過も患者個々により異なることも特徴の1つである.肺門縦隔リンパ節,肺,眼,皮膚において所見(自覚症状の有無は別にして)がみられることが多いが,それ以外にも神経,筋,心臓,腎臓,骨,消化器など全身のほとんどの臓器が侵されうる.

 原因は不明とされているが,Cutibacterium acnes(アクネ菌),結核菌などの微生物に対する過剰な免疫反応が基盤にあるという報告がある.また,遺伝的要因として,ヒト白血球抗原(HLA)遺伝子のほか,複数の疾患感受性遺伝子の関与が報告されているが,いまだはっきりとしたものはない.


診断

 組織診断群と臨床診断群が存在し,それぞれ

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