病態
疣状癌は,臨床的に疣状を呈する高分化の有棘細胞癌(SCC)の一型である.SCCのリスク分類においては,低リスクの組織型に属する.
【病因・発症機序】発生に関与するものとして,紫外線よりもヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus:HPV)が注目されている.HPVが検出されたという複数の報告がある一方,検出されないことも多い.
【臨床症状】①初期には疣状(図22-23)図,やがて増大してカリフラワー状の,外方に突出した腫瘤を形成する.表面は角化性である.腫瘤の大きさは1~15cm大で,ほとんどが単発性である.②口唇,外陰部,足底に好発し,それぞれoral florid papillomatosis(口腔花菜状乳頭腫症),giant condyloma acuminatum(巨大尖圭コンジローマ,Buschke-Löwenstein腫瘍),epithelioma cunic