病態
原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫(pcALCL)は大型で未分化な腫瘍細胞(anaplastic large cell)がシート状に増殖する組織学的形態を示すCD30陽性のリンパ腫である.2018年版のWHO-EORTC分類では同じくCD30陽性であるリンパ腫様丘疹症とともに,原発性皮膚CD30陽性T細胞リンパ増殖異常症(primary cutaneous CD30-positive T-cell lymphoproliferative disorders)というカテゴリーで分類されている.
【頻度】同分類ではpcALCLは皮膚T細胞リンパ腫の約8%を占め,5年生存率は95%とされている.
【病因・発症機序】ALCLに特徴的に発現するCD30分子はCD30リガンドが結合することによりシグナルが伝達される.この経路は生理的に細胞増殖,分化,または細胞死を誘導する.染色体6p25.3上のDUSP