診療支援
治療

尋常性膿瘡・壊疽性膿瘡
Ecthyma vulgare,Ecthyma gangrenosum
檜垣 祐子
(若松町こころとひふのクリニック院長)

病態

 尋常性膿瘡は別名深膿痂疹ともいわれるように,真皮深層まで達する病変を呈し,特有の深い打ち抜き潰瘍を形成する.起炎菌はA群レンサ球菌によるものが多い.しばしば瘙痒性皮膚疾患の搔破に続発する.

 壊疽性膿瘡は中心に壊疽を伴う重症型で,免疫低下状態にある患者の緑膿菌敗血症に伴う敗血疹の1つとして知られる.

【病因・発症機序】尋常性膿瘡はA群レンサ球菌によるもののほか,黄色ブドウ球菌との混合感染や黄色ブドウ球菌単独のものがある.組織学的には表皮から真皮に至る壊死と,真皮内に血管拡張と著明な好中球浸潤を認め,リンパ球,組織球が混在する.治癒期には組織球が増加し,線維化がみられる.壊疽性膿瘡は緑膿菌敗血症の1~6%にみられ,デルマドロームとして重要である.組織学的には血管壁(中膜,外膜)への菌の直接的浸潤による壊死性血管炎の像を呈し,真皮から皮下組織に炎症細胞浸潤と血管の増生が観察される.緑膿菌

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?