診療支援
治療

クリプトコックス症
Cryptococcosis
北見 由季
(昭和大学客員教授)

病態

 クリプトコックス症はCryptococcus neoformans(C.neoformans)またはC.gattiiにより起こる深在性真菌症である.C.neoformansは全世界に分布し,ハトなど鳥類の堆積糞から分離される.C.gattiiは熱帯地域とオーストラリアでみられ,主に腐朽木材が感染源とされている.

 皮膚クリプトコックス症は,皮膚限局性クリプトコックス症と播種性クリプトコックス症の皮膚病変に分類される.皮膚限局性は外傷が契機となり,経表皮的に感染し皮膚症状を生じる.一方,播種性はまず経気道的感染により肺に原発巣を生じ,血行性に皮膚や中枢神経に続発性に病変を生じる.

【頻度】皮膚限局性はまれな疾患で,1968~2018年の間に65例の本邦報告例がある.播種性の皮膚病変は全クリプトコックス症の5~15%の頻度で生じている.


診断

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