病態
酒皶は,頰部や鼻部,前額部の顔面中心部が赤くなる,いわゆる「赤ら顔」を特徴とした疾患である.顔の火照りや赤みが強くなることで,不快感を訴える.酒皶病態には,遺伝的背景(遺伝子多型)や,皮膚自然免疫受容体TLR(Toll様受容体)を介した細胞内シグナル伝達の亢進,肥満細胞を介した表皮自然免疫反応と神経因性反応の連携が分子病態として確認されているが,発症機序の全貌は不明である.酒皶様皮膚炎では,ステロイド薬の外用・内服療法やカルシニューリン阻害外用薬〔タクロリムス外用薬(プロトピック)やpimecrolimus外用薬〕により酒皶に類似した症状を呈する.
診断
【鑑別診断で想起すべき疾患】顔面に紅斑やニキビ様皮疹を呈する疾患が鑑別疾患に相当する.顔面に紅斑やニキビ様皮疹を呈する疾患には,接触皮膚炎,空気曝露性接触皮膚炎(花粉症,花粉皮膚炎を含む),光線過敏症,脂漏性皮膚炎,尋常性痤瘡などの痤瘡