診療支援
治療

内臓悪性腫瘍と皮膚病変
Internal malignancies and skin eruptions
片桐 一元
(獨協医科大学埼玉医療センター教授)

病態

 50種類以上の皮膚疾患や症状が内臓悪性腫瘍と関連することが知られている.特徴的な臨床像を呈する疾患を中心として,見逃すことのないように常に念頭において診療を行う必要がある.抽象的だが,高度で,派手な皮疹,通常とは異なる皮疹,などに注意する.患者の立ち居振る舞い,声,肌の張り・乾燥・色素沈着,体重の増減などの観察も重要である.


診断

【高頻度に内臓悪性腫瘍を合併する疾患の分類】進行期に生じる皮疹も多いが,近年の治療法の進歩により,長期生存可能となり,皮疹からの早期診断価値はより高まっている.悪性腫瘍の治療により皮疹は消失することが多いが,再発時にも皮疹が出現し,マーカーとなりうることに留意が必要である.

1.角化性疾患(papulosquamous disorder)

①Leser-Trélat徴候:最も多く報告されているデルマドロームである.脂漏性角化症が6か月以内に急速に数(数百個から2,

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