診療支援
治療

5 IgG4関連疾患
IgG4-related disease
山本 元久
(東京大学医科学研究所附属病院・アレルギー免疫科特任准教授)

疾患を疑うポイント

●中高年男性に多い.

●身体所見として上眼瞼,顎下部の腫脹,画像所見で膵や腎などの臓器腫大を認める.

▼定義

 高IgG4血症と腫大した臓器に著明なIgG4陽性形質細胞浸潤と線維化を呈する全身性,慢性炎症性疾患.

▼病態

 Th2型(アレルギー性)炎症による臓器圧排症状が主体であるが,TGF(transforming growth factor)βを介した臓器線維化が緩徐に進行し,不可逆的な機能障害に陥る.

▼疫学

 わが国に約8,000~2万人の患者がいると推定されている.60歳以上の中高年男性に好発する.

▼分類(病変の分布)

‍ 涙腺,顎下腺,膵が主な罹患臓器である.これらに下垂体炎,甲状腺炎,気管支・肺炎(IgG4関連呼吸器疾患),胆管炎(IgG4関連硬化性胆管炎),腎炎(IgG4関連腎臓病),大動脈周囲炎,前立腺炎などを合併する.

▼診断

 診断には,IgG4関連疾患包括診断基準(表

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